ラジオCM

土曜に、家のリフォームがやっと完了。
建具屋さんが混んでいるらしく、扉や窓だけ次の週末に持ち越し。
なので、リフォーム完了記は来週末にでも。

昨日、今日と、ひたすら家の片付け。

ラジオを流しながら片付けしていたのだけど、
本日は、秋分の日の特番で、スポンサーがユニクロだったので
ユニクロのラジオCMがずっと流れていた。

で、このCMが、
ユニクロ大丈夫か・・・?
と思ってしまう内容だった。

3パターンくらいあって、大体以下のような感じ。

パターンA(女性のトーク):
 社内でモテている彼と、今日は初デート。付き合っていることは会社ではまだ秘密。
 どんな服を着てくるのかな・・・。
 (彼登場)
 わぁ、いい意味で裏切られた。(服のコーディネートの説明)
 きっとこの人、昔からモテてきたんだろうな。

パターンB(女性のトーク):
 今日は学生時代の友人と5年ぶりに再会。
 ピュアな子だったから、変わっていないかちょっと不安。
 (友人登場)
 わぁ、いい意味で裏切られた。(服のコーディネートの説明)
 きっと、ステキな恋人ができたんだろうな。

パターンC(男性のトーク):
 今日は彼女と2回目のデート。
 1回目はワンピースだったけど、今日はどんな服だろう・・・。
 (彼女登場)
 うわぁ、いい意味で裏切られた。(服のコーディネートの説明)
 うわーうわーうわー、悶絶。

これが、番組の合間合間にひたすらループ。
番組が惹かれる内容じゃなかったら、ラジオ消してたね。

マジでユニクロ大丈夫か、と思った。
この台本を書いたのは広告代理店だとしても、ユニクロの社員がOK出したんだよね?
センスを問われる会社が、これで良いのか!?

そして、ふと気づいた。
あ、これ、ファッション誌の1週間着回しコーデだ。

いくつかの女性ファッション誌には、数着の服を1週間着回す例を載せていて、
「○曜日。今夜は彼とデート。仕事でもデートでもOKな○○なコーデで」
「○曜日。昨夜は彼とケンカしてしまった。○○なコーデで気分を上げる」
「○曜日。今日は学生時代の友人と女子会。○○なコーデで大人っぽくなった自分をアピール」
みたいな文句が添えられている。

あぁ、これと同じ調子でCM作っちゃったんだねー。

でもね、
ファッション誌のストーリーは、ただの添え物なのだよ。
読んでいる方は、服を主に見ていて、
ストーリーは、服のコーディネートに合わせて無理やり作ったものだとわかっているから、
どんな陳腐なストーリーでも許容されるのだよ。

それに対して、
ラジオCMのストーリーは、主役。
聞く側は、そのストーリーに耳を傾けているのだよ。
良いストーリーなら、「ん? これ、何のCMだろう?」と耳をそばだてるし、
悪いストーリーなら、「いまいちなCMだなー、聞き苦しいなー」と感じる。

ここを、間違っちゃったね。


ちなみに、今回のユニクロとは逆に、
これは素晴らしいと思っているラジオCMはデンカ。

J-WAVEで毎朝7:45くらいに流れるのだけど、
曜日ごとにバリエーションがあって、
各曜日に合った偉人の言葉を紹介する、というもの。

ホームページにPDFと音声ファイルがあるので、
ここで確認してもらうのが一番だと思うので、内容の詳細は省くけれど、
朝、これを聞くと、とても爽やかな気分になれる。

https://www.denka.co.jp/sustainability/design/

そして、このCMの中で、デンカが自社をアピールするのは、
最後の5秒、
「発想で、できるをつくる。 化学で夢を、デンカです。」
これだけ。

CMの短い尺のほとんどを、リスナーの朝を爽やかにすることに使い、
自分たちのアピールは、最後にちょこっと。
このセンスが素晴らしい。

このCMにGoサインを出したデンカという会社に魅力を感じて、
思わず株も買っちゃったね。

大体の会社だと、こういうCM案が提示されても、
「うちと全然関係ない内容じゃないか」
「もうちょっとうちの製品とかアピールした方がいいんじゃないか」
みたいなことをお偉いさんがコメントしてきて、内容変わっちゃいそうだと思うのだけど、
きっと、この会社は、上の人間のセンスがいいか、
任せる人に、きちんと任せる会社のどちらかなんだろうな、と。


なんてことをね、1分に満たないCMから色々考えるわけです。
次にラジオCM作るときは、もちょっと工夫してほしいな、ユニクロさん。