『竜馬がゆく』全八巻を読み終えました。
こう並べてみると、なんか感慨もひとしお(笑)
この3ヵ月半、2週間に1冊くらいのペースでのんびり読み続けてました。
途中、高知に行って、桂浜や竜馬の生まれ育ったあたりを歩いてみたり。
坂本竜馬という人のことは、この本を読むまではほとんど知らなくて、
一昨年の大河ドラマ「新選組!」に出てきたなぁ、くらいだった。
でも、この本読んだり、高知で竜馬の資料館見たりして、
あっという間にひきこまれた。
歴史の登場人物としてではなく、一個の人間として、すごく惹かれる。
もし、今の時代に生きていたら、この人は何をしているだろう。
って、ふと考えてしまう。
こういうことって、他の歴史上の人物に対しては思わないのだけど。
たとえば源義経とか西郷隆盛とかが今の時代にいたとして・・・
って考えようとしても、なんか変だし、そぐわない(^^;
私の勝手な感想だけど、
竜馬という人間は、“個”を貫いた人だと思う。
秀才面した冷たい近づきがたい人ではなく、
むしろ人懐こい子供っぽい人なのに、
なぜか人と一緒には酔えなくて、別の方角を見ている。
初めから周りと全く違った価値観を持っていたわけではなくて、
黒船来航の頃は、世の中の風潮と同じに攘夷、攘夷って騒いでいて、
だけど、色々な人と出会って、色々なことを知っていくうちに、
“個”を確立していって。
“個”を貫くことは、時代的にも、難しくて淋しいことだと思うのだけど、
そうせずには、いられなかったんだなぁって。
だから、大政奉還の瞬間は、スタバで読んでいたのだけど、
思わずガッツポーズしてしまった。
もちろん、史実として知っていたけれど、
“個”を貫いて突っ走り続けたことが無駄じゃなかったねー、
って本当に嬉しかった。
大政奉還後の最終章は、司馬遼太郎さんの筆力か、読む側の心の持ちようのせいか、
竜馬の周りが朝日に照らされたみたいに、きらきら、きらきら澄んで光って見えて、
そんな風に、きらきらして最後に向かっていくもんだから、
もう本当に涙なくしては読めなかった。
3ヶ月だけど、常に、この本が傍らにあって、
色々疲れても、これ読むと元気になれた。
竜馬もへこたれずに突っ走っているんだから、自分もまだ走れるよなー
って思えた。
・・・あぁ、読み終えちゃったんだなぁ。