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家探し編8 運命の物件

1/19(日) 19:00

「では、こちらが物件購入申込書になります」
車に戻ると、Aさんが車内の明かりをつけて、鞄の中から書類とボールペンを取り出した。


「・・・『申込金額』ってなんですか?」
渡された申込書の冒頭に、『申込金額』と書かれた大きく金額を記入する欄があって、首を傾げる。
売りに出されてたあの金額で決まりじゃないの??


「あの金額は、あくまで売主さんからの希望売却価格なんですよ。
 ですから、その金額を最大値として、買う側は買う側としての希望を出せます」
へぇ〜。そういう仕組みなんだ。
なんか競りみたいで面白いな。


ボールペンを持って、うーん、としばらく考える。
普通、どうするんだ、こういう場合??
「あの・・・他の人たちは普通どうしてるんですか?」
「色々ですね。10万円でも安い金額で、て人もいますし、そのままの金額を書かれる方もいます」


なるほど。。。
うーん、、、


2件目の物件。この半月、色々な物件情報を見まくって何となくわかった相場からすると、
結構、安いと思う。
売り主さん、新しくマンションを買った、ということだから、
すぐに売りたくてあの金額で出しているのかもしれない。
たとえば、ここで10万や20万をケチったとして、35年のローンで考えたときに、
月々の支払いの差額なんて、たかが知れているだろう。


感じの良い売り主さんの顔を思い出しながら、
(うん、ここはケチるところじゃないな)
と思い、希望売却価格と同じ値を書き込んで、Aさんに渡す。


受け取った申込書をざっと眺めてから、Aさんがこの後の流れについて説明してくれる。
「このあと店に戻って、私の方で売り主側の担当者にこの申込書を送ります。
 他の申込者がいた場合には、売り主さんの方で選んでいただくことになるんですが、
 Sato様は希望売却価格と同じ金額で申し込まれているので、金額で負けることはありません。
 それに売りに出たばかりの物件ですし、今日、他の方が内覧に来る気配もなかったですし、
 大丈夫じゃないかと思います」


初めて知る物件購入の流れ。
なるほど、そういう仕組みなのか。


「それでこちらがローンの仮審査の申込書になります。
 仮審査、まだどこでもやってないですよね?」
えぇ、そりゃ、もちろん。
ローンのこととか、まったくよくわかってなくて、
会社の後輩が私よりも高額な物件のローンを組めたって話を聞いてたから、
まぁ大丈夫なんじゃないかなー、くらいの適当な感覚でここまで来てた。


「ローンの仮審査は、物件購入を考えたところでやっておくと、すぐに契約にこぎつけられるので良いですよ。
 仮審査をした銀行でローンを組まなくてはいけない、というわけでもないので」
ほぉほぉ、
と頷きながら、仮審査申込書に必要事項を記入していく。
よくわからない勤務先情報は、Nexus7で会社のホームページにアクセスして書き書きφ(・_・”)


その後、手付金の話とか、これからの流れとか色々説明してもらったけど、
初めてのことだらけで、頭の中はオーバーフロー状態。
メールでもう一回書いて送ってくれるとのことなので、
とりあえず、2年分の源泉徴収票がなるべく早く必要なことと、
契約日までに手付金を用意する必要がある、
という最重要の2点だけ頭に叩き込んで、
身分証明書のコピーをコンビニで取って、Aさんと別れる。


1/19(日) 21:27

帰宅して、まだ興奮も冷めやらないところで、Aさんからメールが入る。


『先ほどの物件ですが、本日他に2件のご案内があったそうです。
 ただ、不動産業者の買取だそうで、S様のようにお住まい用ではありません。
 物件を買い取ってリフォーム後に再度販売をする不動産業者さんが見に来られたそうです。
 一応、一番早くにSato様の申込書は送ることができました。
 ただ、本日内覧した不動産業者がもっと良い条件(キャッシュで購入等)を出してきた場合は
 そちらが優先されてしまう可能性があります。
 状況はまた改めてご連絡させて頂きます』


うぉぉぉっと。ライバル出現! Σ( ̄□ ̄;


数時間前の本日中に結論を出さないといけない、という自分の予感は正しかった。


とりあえず、ライバルに負けないために、
一刻も早く、住宅ローンの仮審査を通すために、
24年と25年の源泉徴収票をゲットせねば。。。


源泉徴収票を受け取るには、本社に行って手続きをしないといけないから、
明日の仕事帰りに寄るかな・・・
いや、待て。そういえば、本社でやらないといけない用事が他にあったから、
それを理由に明日の朝、本社に寄っていくことにしよう。。。


『明日には源泉徴収票ゲットできると思います!』
Aさんにメールする。


ライバルにゃ、負けないぜ・・・。
一人、ファイティングポーズを取っているところで、

1/19(日) 23:37

Aさんからメール着信。


源泉徴収票が早くもらえそうでよかったです。
 お忙しいところ、お手数ですが、頂き次第、お送り頂ければ幸いです』


なんて時間まで仕事してるんですか・・・( ̄▽ ̄;
驚嘆しつつも、やっぱりありがたく思う。


1/20(月) 9:30

『今日は本社に寄ってから行きます』
課長にメール打って、いそいそと本社に出社。


が、ここで、問題が発覚。
私が本社の端末で出力できると思っていたものは、仮の源泉徴収票であって、
正式な源泉徴収票は、郵送で1週間後くらいに届くらしい。
マジかい( ̄□ ̄;


さらに、平成25年分の源泉徴収票は、まだ発行されていない・・・。


「いつ発行できますか!?」
総務部に問い合わせる。
普段、事務関連のことは面倒がって、ぐだぐだ〜なのだけど、
この日ばかりは、目の色変えて必死だった。
ライバルに負けるわけには、いかんのだよ。。。


「25年分は、23日ですねぇ」
鬼気迫る私とは対照的に、総務のEさんはのんびり答える。
23日ですね?絶対ですね??絶対ですよ???


『すみません、25年分は23日にならないと発行されないみたいです(>_<)
 あと、24年分も仮のものしか、すぐには用意できませんでした・・・』
とりあえず、仮の源泉徴収票のPDFを速攻でAさんに送る。

1/20(月) 11:33

Aさんからメールが入る。
『とりあえず、審査は頂いた平成24年分の源泉徴収票でできますので、進めております』
よしっ。
ほっと、胸をなでおろす。


『平成25年分は、大体、いくらになるかわかりますか?
 支払金額の部分のおおよそがわかりましたら教えて頂けると幸いです』
はいはい、それなら給与明細あるからオッケーです。


せっせと、給与明細を足し算する。


Aさんは、2つの銀行に仮審査をお願いしてくれているようで、
メールにはその状況についても書かれていた。

『A銀行は、リフォームの見積書を提出しないと審査が進められないので、
 できるだけ審査を早く進めるために、物件価格+諸費用分を借りるという形で審査をしてもらっています。
 B銀行は、リフォームの見積書無しで審査ができるようなので、
 物件価格+リフォーム分○○万円を借りるという形で審査をしてもらっています』


リフォーム業者に口頭で相談して、ざっくりのリフォーム金額を見積もって、
審査に出す金額を算出してくれたとのこと。
本当にありがたい <(_ _*)


1/20(月) 16:36

Aさんからメールが入り、
事前に頼んでおいた重要事項調査報告書が添付されている。


修繕積立金総額は去年の11月の時点で約1,200万円、とのこと。


おぉ、優良物件!
マンションの雰囲気から、たぶん大丈夫だろうな、とは思っていたのだけど、
ひと安心。


が・・・。
『昨日、内覧した買取業者からも2件申込が入ったそうです』
うぉぉぉっと。ライバル参戦!!( ̄□ ̄||


『申込金額は教えて頂いておりません。
 Sato様には販売価格で申込頂いているので、金額で負けてしまうことはありません。
 ただ、買取業者ですと、現金購入や瑕疵担保免責(引渡しの後に設備等の不具合があっても売主様は責任を負わなくて良い)
 という条件を出している可能性があります。
 条件次第では買取業者の申込が優先されてしまう可能性があります。
 今日中に売主担当者から売主様にSato様含め3件の申込がある旨をお伝えし、売主様に決めて頂く予定だそうです。
 お返事を頂き次第ご連絡させて頂きます』


そうか、業者だと、個人じゃ使えない手を使えるのか・・・くぅっ(>_<


それでも、
ここはケチるところじゃない、という昨夜の自分の判断は間違ってなかった。


優しそうな売り主さんだったし、
住もうとしている人間を優先してくれるんじゃなかろうか……(´▽`*
いやいや、でも、住み替え用になるべく早く現金がほしいかもしれないし……(ーー;
いや、でも、プロの不動産屋から見ても良い物件に見えたということは、
悪いことではないよな・・・(´〜`*
あぁ、でも仮に外れてしまったとしたら・・・(T◇T
いや、そのときは、またたくさんの物件を見て回れると思って、
楽しむことにしよう・・・p(>_<;


そんなことをぐるぐる、ぐるぐる、思いめぐらす。
ライバル参戦をわかりながらも、ただ待つしかできないのが、
歯がゆいところだ。


1/20(月) 21:46

どきどきし過ぎて、あまりまともに仕事に集中できないまま、帰宅したところで、
Aさんからのメール到着。


『ドキドキしますね・・・
 売主担当者から今日中に連絡をもらう予定でいたのですが、連絡がありませんでした。
 この時間なので、おそらくもう連絡は来ないと思われます。
 こちらからも何度も連絡をしているのですが、連絡が取れない状態です。
 申込を入れているのに、ひどい担当者です。

 お待たせしてしまって大変申し訳ありません。
 明日また確認をしてご連絡させて頂きます』


え。この心拍数のまま、明日に突入ですか・・・( ̄▽ ̄;


まぁ、売主担当、あのIさんの会社だからなぁ……。
さもありなん、と思う。


そう、売主側の不動産屋。
実はあのIさんの会社。


「前に行かれてたっていう不動産屋、どちらですか?」
昨夜、契約は売り主側の不動産屋の事務所で行う、という話のところで、Aさんに尋ねられた。
「実は、N社の川崎支店です……( ̄ー ̄;」
「あら……(^^; あ、でも、今回は別の支店だから大丈夫ですよ」


まぁ、川崎支店であっても、面白かったかもしれない。
「あなたの気に入る物件はない」と抜かされた1週間後に、
別の不動産屋介して、自社の仲介物件を購入に現れる、とかね( ̄∇ ̄


まぁ、いらぬ波風は立てないに越したことはないけど。


そうして、どきどきの収まらぬまま、眠りにつき、

1/21(火) 14:46


『売主担当者とやっと連絡が取れました。
 (売主担当者が全く連絡してこないので、社長に電話してもらいました・・・)
 お待たせしてしまい、大変申し訳ありません』
 

Aさんから、待ちわびたメールが入る。
大丈夫か、N社・・・( ̄〜 ̄;


『結果をお伝えすると、売主様は一晩考えて、Sato様を選んでくれたようです。
 契約は1月25日(土)15時に行うということもOKを頂いております』


キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


脳内で響き渡るファンファーレと共に、
思いっきりガッツポーズ。


ヤッター! (  ̄▽)爻(▽ ̄ ) ヤッター!


その後、Aさんの迅速な対応のおかげで、無事、仮審査も通り、
契約日を迎えることになった。

1/25(土) 15:00

「本当に決まって良かったです」
契約当日、Aさんが言った。
「ここ、て決めたのに、今回のように同時申込になって、外れてしまった場合、
 どうしても最初に決めた物件が忘れられず、比較してしまって、
 他の物件に決めることができなくなってしまうお客様が結構いるんですよ」


Aさんは、もしもこの物件に外れた場合を考えて、
最後に内覧したあの物件の方も調べておいてくれたのだとか。
ところが、あの物件、あの後すぐに申し込みが入って売れてしまったのだそう。
たぶん、私が悩み抜いている間に内覧に来た家族連れが申し込んだんだろう。


年末からずっと売りに出され続けていた物件だったのに、
このタイミングで売れて。


「今、この時に決めないといけない気がする」
という私の予感は本当に正しかったのだな、としみじみと思う。

1/25(土) 16:00

「あの日、8軒も回られたんですってね」
家族揃って現れた売主さんが笑いながら言った。


私を選んでくれたポイントは、もしかしてそのあたりもあったんだろうか?
8軒も回った中で選んでくれたんだから!
みたいな。。。(´▽`*


1/25(土) 19:00

無事、契約を終えて、
契約の書類やら、不動産屋でお土産にもらったワインやらを引っさげて、
最寄りの駅で友人と落ち合う。
以前から、この日の夜に、泊まりに来る予定だったのだ。


「どこに行っていたの?」
大荷物の私を見て、尋ねる友人。
「うん、ちょっと契約に。マンション買ったんだー」
「・・・・・えぇぇぇぇっっ!!??( ̄Д ̄;」


その晩は、不動産屋でお土産にもらったワインを空けて、
二人で楽しく飲んだくれましたとさ♪



   * * *

そんなわけで、年末に部屋の掃除をしながら、ふと、家を買おう!
と思い立ってから1カ月。
私の家探しは、こうして無事、運命の物件に巡り会って幕を閉じたのでした。


(決済編につづく)



   * * *
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