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レ・ミゼラブル その2:マリユスとコゼット

マリユスとコゼット。


この二人が、ただのバカップルと思うのは、
私だけでしょーか?


周りが完全に見えず、二人の世界で
フォーリン・ラブ。
まぁね。二人とも若いし、初恋だしね。
互いだけで世界が一色に染まってしまうのも、
わからんでもない。


・・・でもさ。


君たち二人、互いの顔以外のどこにそんなに惹かれたのさ?


どう考えても、どう読んでも、
顔以外に二人の惹かれた箇所があるように思えない。
・・・え、魂?
ふっ、そんなわけないでしょヽ( ´ー`)ノ
だってマリユス君、コゼットが可愛く変身するまでは
完全にアウト・オブ・眼中だったじゃない。


しばらくの間、リュクサンブール公園
互いに見つめ合うだけの日々を過ごした後、
公園に来なくなったコゼットを探して見つけて、
(ていうか、エポニーヌに見つけてもらったんだけどね)
プリュメ通りの家の庭で初めて言葉を交わして、
(ていうか、この時、たまたま両想いだったから良かったようなものの、
 そうでなければただのストーカーだったよね)
蜜月の日々を過ごすけれども、
でもこの間、実はたったの1ヶ月。
1832年5月のたった1ヶ月。
それも夜、二人きりの庭の中限定。


・・・・・。
この二人がお互いのことをちゃんとわかっているようには、
どうにも思えない。
いいんだろーか、こんなんで結婚決めて。
引き裂かれる思いで身を引いたジャン・ヴァルジャンのためにも、
二人には幸せな家庭を築いてもらいたいとは思うけど、
でもねぇ、なんか一抹どころか十抹くらい不安。


マリユス、へたれ男だしね。
最後の最後まで、へたれだったよね。。。


マリユスくん。
周りの人の言葉だけで、
あっち行きーの、こっち行きーの、
自分の軸無しのふっらふら男。
失恋すれば(それも勘違い)、ヤケになって、
そうだ、暴動に加わって死んでやろう、
とか考える一人よがりのはた迷惑なロマンチスト。


ポンメルシー大佐、エポニーヌ、
ABCの友人たち、ジャン・ヴァルジャン
自分に対して多かれ少なかれ恩義のある人々の心を
とにかく踏みにじりまくって、でもそれに全く気付かない
マリユス・ポンメルシー男爵。


この物語における最大の極悪人って、
テナルディエでもパトロン・ミネットでもなく、
マリユスなんじゃないかと思えてくる。


それなのに最後の方で、
「不幸な二人がついに・・・」
とかいうくだりがあるからびっくり。
え?不幸?誰が!?( ̄◇ ̄;;


確かにコゼットは幼少期は苦労したけど、
でもジャン・ヴァルジャンと暮らし始めてからは、
それなりに幸せだったよね。
そしてマリユスはまぁ確かに極貧生活を送ったり、
死にかけたりもしたけど、
でも全部、自業自得っていうか、
むしろ、自ら飛び込んでいったよね!?
それも強い信念とか熟慮の末とかでなく、
いわば衝動的に。
その結果味わった苦労を不幸とは言いません ┐( -"-)┌


『マリユスは善良で、芯は進歩的だから、
 将来の進歩は約束されている。
 今はまだ進歩の途上なのだ』
とおっしゃるユゴー先生。


確かに、マリユスが善良なのは認める。
でもなぁ・・・、
なんていうか、この物語中とびぬけてのマリユスの深みの無さは、
この善良さゆえなんじゃないかな〜。
マリユスって善良で、陰がないんだよね。
陰がなく、単純明快。
だから、世の中や他者の陰を理解できないんじゃないかな、と。


テナルディエ一家とか、バリケードとか、
ジャン・ヴァルジャンの生き様とか、
マリユスは世の中の陰を垣間見てきているのだけど、
でも、それらはマリユスの中で、ただ通り過ぎただけで終わっている気がする。
何を見ても経験しても、そのすぐ後に、
「愛しのコゼット!」
とか叫んで、コゼットという甘い存在の元に戻って、はい終わり。
そんな感じ。


風姿花伝』に
「陰と陽の交わるところに成就あり」
ていう言葉があるけど、そうなんだよね、
光だけでも影だけでも駄目なんだ。
光と影の両方が合わさって、初めて、
人の心を打つ何かを放つんだ。
ジャン・ヴァルジャンしかり、ガヴローシュしかり。


・・・・・。
まぁこれ以上、マリユスくんへの駄目出しを
続けていっても収拾つかないので、
この件については、この辺で筆を置きます。。。