レ・ミゼラブル その1:ジャン・ヴァルジャン

レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)
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レ・ミゼラブル (2) (新潮文庫)
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レ・ミゼラブル (3) (新潮文庫)
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レ・ミゼラブル (4) (新潮文庫)
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レ・ミゼラブル (5) (新潮文庫)
レ・ミゼラブル (5) (新潮文庫)

パリ旅行を機に読んでいた『レ・ミゼラブル』を読み終えました。
これ、学生時代に一度読んだのだけど、途中で挫折・・・。
(今回、読み返してみて、4巻の終わり近くまで読んでいたことが判明したのだけど、
 どうしてここまで読んでて読み切らないかなぁ、自分・・・orz)
そして、さらにそれより昔に、児童向けの『ああ無情』を読んでいたのだけど、
なにせ児童向け。かなりかいつまんだ話の上、
(なにせ開始が5巻も後半『祖父と孫』からだった)
物語の最後、真実を知ったマリユスがコゼットと共にジャン・ヴァルジャンの元へ向かうところで、

しかし、この時、ジャン・ヴァルジャンは既に死の床にいました。
マリユスとコゼットは、果たして間に合うのでしょうか。


この続きは、みなさんが大きくなった時、原作を読んで確かめてください。

とかいって、打ち切られてしまう。
うそーーー、と心中で叫んだのを覚えてます。


まぁ、そんなわけで、それから20年近くたって、
ようやく、マリユス達が間に合ったかどうか、
確認できたわけです。


もうね。なんていうかね。
号泣でした。
川崎のスタバで、鼻水たらして号泣(ぉぃ
ジャン・ヴァルジャンの鞄の中身が明らかになったところから、
もう涙腺がゆるんで、ゆるんで。
私、鞄の中身、ずっとお金だと思ってたから、
まさかねぇ、これだとはねぇ。。。


そして、ジャン・ヴァルジャンの心中の葛藤について。


彼の心の内は、1巻のシャンマチウ事件の途中までを最後に、
深く描かれることはありませんでした。
だから、シャンマチウ事件の時、最後の最後まで揺れながら、
それでも名乗り出るに至った心の経緯、
その後、徒刑場に送られるも脱走した際の心情、
邪魔者のはずのマリユスをそれでも命懸けで助けた理由、
それが何なのか、謎で。
でもきっと最後、ジャン・ヴァルジャンの告白という形で語られるのだろう――
と思っていたんですが、それはなく。


だけど、ジャン・ヴァルジャンの最後の葛藤のシーンを読んで
何となく、わかったように思う。


ジャン・ヴァルジャンの言う『良心に従うこと』というのは、
『在りたい自分で在ること』
なんだろうな、と。


だけど、ジャン・ヴァルジャンにとって、
いつもそれは、強い痛みと大きな犠牲を伴うもので。
だから、ぎりぎりまで痛みから逃れる道との間で葛藤が起こる。
でも、最後の最後には、やっぱり『在りたい自分で在ること』を選ぶ。
それは考えた末の行動というよりも、ぎりぎりまで自分を追い込んで、
もう何もうまく考えられないという極限状態になったところで、
魂がそれを選び取る、というようなもので。


だから最後。
悲しくて、可哀相で仕方なかったけど、
それでも、ジャン・ヴァルジャンの魂は平穏だったろうな、と
そう思う。
在りたい自分を貫いて、迎える最期は穏やかだったろうな、と
そう思う。
・・・(号泣)


まぁ読者としては、マリユスやコゼットの馬鹿たれっ、な気分満載だけどね。。。