長距離タクシーに乗って

satoko_szk2014-03-16
今日は、大学時代の研究室の先生の退職祝いのイベントでした。

場所は、津田沼の大学キャンパス。
(数年前に先生が大学を移られたので、私が卒業した大学ではないのだけど)


イベントの予定は、
最終講義 14:30〜16:00
懇親会  17:00〜19:00
という感じ。


そして、私の本日の予定。
朝、スケート。
 ↓
一旦、帰宅して荷物を置いて着替えてから、新居に。
 ↓
新居にて、リフォーム完了のチェック。
 ↓
津田沼へ。 


弾丸です。


スケートを終え、帰宅して、新居に向かう。
行きの電車の中で、路線情報をチェックしたところ、
12:41 新居の最寄駅に到着
13:02 新居の最寄駅から電車に乗って、津田沼
という感じなら、なんとか最終講義へ間に合いそう。


電車を降りて、新居へダッシュで向かう。
新居の中に入って、中を見て、
「きゃ〜っ」「わ〜っ」「うわ〜っ」
って歓声を大急ぎで上げながら、一通り見終えて、
再びダッシュで駅へ。
(滞在時間、正味10分)


が。
目の前で電車が行ってしまう・・・orz


路線検索しまくるも、どのルートをとっても、
津田沼駅に到着するのは、最速で14:31。


なんで、横須賀線は本数が少ないんだーーーー!
横須賀線さえ、タイムリーに来てくれれば、間に合うのにっ!!!


心の中で叫び声をあげながら、
ふと、思いついて、GoogleMapで車でルート探索してみる。



到着予定時刻、14:10。
間に合う!


が、その距離、約60km。
タクシー使うとして、簡単に出せる金額じゃないことは想像にかたくない。
しばらく、逡巡する。


来週、引越し。
この数か月、そりゃもう、お金が飛んでいく、飛んでいく。
今日の最終講義だって、別に遅刻したって、問題はない。


13:11発の品川方面行きの電車に乗って、電車で津田沼へ向かうか、
それを見送って、13:12発の横浜方面行きの電車に乗って、
新子安からタクシーで津田沼へ向かうか。


選択の時が迫る短い時間の中、
どうする?どうする??どうする!?
頭の中で猛スピードで考える。


大学4年だった、2002年。
ここに詳細は書かないけれど、私の大学の研究室生活は、
それはそれは色々なことがあった。
人生を季節に例えるなら、あの1年は私にとって真冬、
超極寒ブリザードな季節だった。


あの1年の色々なことが自分の中で、それなりに整理がついたのは、
卒業して5年も経ったころのこと。
その後、何度か先生に会いにいこうとしたことがあったけれど、
なぜか不思議なほどに予定があわず、
先生とは、入社1年目の頃に会ったのを最後に一度も会っていなかった。


だから、今日この日は、私にとって、少し特別な意味を持っていた。



品川行きの電車がホームへ入ってきて、ドアが開く。
私は心を決めて―――見送った。
1分後、ホームへ入ってきた横浜方面行きの電車へ乗り込み、
隣りの新子安で降りて、タクシー乗り場へ駆けた。


遅れても別に問題はないだろう。
だけど、今日の最終講義を最初から聞くことが、
私にとってはすごく大切な意味のあることで、
諭吉さん飛んでいくのは、もちろん痛いけど、とっても痛いけど、
それを躊躇って遅れていったら、たぶん私は後悔する。


日曜の昼下がり。
新子安の駅前で、運転手さんがのんびり本を読んでいるタクシーに飛び乗る。
「すみません、津田沼までお願いしますっ」
「つだぬま・・・?どこ?」
運転手さん、首をかしげる。
・・・・・。
まぁたしかに新子安のタクシーだったら、この近辺しか行かないよな(^−^;
「あの、千葉県の津田沼です・・・あ、カード使えます?」
カード使えないらしく、駅前のコンビニに駆け込んで、
お金をおろす。
いったい、どれくらい必要だろう?
たしか、金曜の夜、飯田橋からタクシーで帰った時、2万円超えてたよな。
とりあえず、諭吉さん3枚と見積もって、でもちょっと不安なので、
もう2枚足した枚数を降ろす。
引き出し後残高を見ながら、
大丈夫、もうすぐ給料日、もうすぐ給料日・・・と自分に言い聞かせる。


コンビニからタクシーに戻ると、
ナビを操作していた運転手さんが尋ねてきた。
「すみません、住所わかります?このナビ、住所入れないといけなくて」
・・・まぁ、基本的にこの近辺だから、ナビ使わないよね(^−^;
Nexus7で大学の住所を調べる。
「えーと、千葉県習志野市・・・」
「千葉県、ならしの・・・っと・・・」
津田沼・・・1丁目・・・」
「あ、ちょっと待ってね、津田沼津田沼っと・・・」
そんな感じに運転手さんのナビ設定を終えて、タクシーが走り出す。


日曜の昼下がり、快晴。
ベイブリッジ見ながら、湾岸道路を走りぬけて行って、
なかなかに景色は良かったのだけど、
私の視線は、綺麗な景色よりも、タクシーのメーターへ。


かっこん、かっこん上がっていくメーターを見つつ、
時計を確認する。
「時間、大丈夫ですか?」
運転手さんが途中で聞いた。
間に合うのは、ほぼ確実だった。
それよりも、私が気にしていたのは、
メーターがかっこんかっこん上がっていく時間が、あとどれくらい続くんだろう、
ということだった( ̄▽ ̄;
到着予定時刻が14:10だから、
あと30分、あと20分・・・・・
超どきどきしながら、メーターと腕時計を何度も見やって、
ようやく、目的地が近づいてきたところで、
どうやら2万円行かないで済みそうな気配を感じ、少しほっとする。
(もちろん、それでも十分、痛いけどねっ)


結局、
新子安津田沼、高速代を入れて14800円なり。
自腹切って、長距離タクシーに乗る機会なんて、
後にも先にもこれきりであってほしい(>_<)


それでも、身銭を切った甲斐あって、
無事、14:30に間に合った。


ちなみに、その後、大阪から来たという後輩と話してたら、
大阪から飛行機で13000円だそうで、
勝った(笑)


最終講義と懇親会の参加者は、200人くらい?
だから、先生と話す時間はほとんどなかったのだけど、
懇親会の受付待ちのところで、たまたま2人で話す機会があった。
10年ぶりの対面でした。
3分くらいのわずかな時間で、近況報告もろくにできなかったけれど、
心からの笑顔で会えたので、今日の目的は全部達成。


最終講義や懇親会は、1年かけて今の学生さんたちが企画したらしく、
とても素敵な会だった。
教授人生の最後に、こんなにたくさんの教え子が集まって、
こんなに素敵な会をもって送り出してもらえるなんて、
先生冥利につきるだろうな〜。


先生は決して完璧な人間ではなかったし、
先生の教え子たちが、全員、楽しい研究生活を送れたわけでもない。
だけど、何かをやりたい!という学生を心から応援して
バックアップしてくれようとする素敵な先生であったと思う。
だから、それぞれの想いを抱えつつも、
これだけの教え子たちが今日集まったのだと思う。
心からそう思える今、先生に再会できて良かったと思う。


そんな感じで、大枚はたいた価値ある一日でした(笑)